安全報告書 [1] 平成23年9月   >> 平成22年度安全報告書


1.社長からのメッセージ


  いつもしなの鉄道をご利用いただきありがとうございます。また、当社の事業運営に対して、ご理解、ご支援を賜り厚く御礼申し上げます。
  この度、平成22年度の当社の安全確保のための様々な取組みの計画や実績を「安全報告書」として公表します。
  当社は北陸新幹線長野開業に併せ、JR東日本から経営分離された並行在来線を引き継ぎ営業を開始し、本年9月で満14年を迎えます。この間、安全で安定した輸送の実現に社員全員が一丸となって努力してまいりました結果、大きな鉄道事故の発生もなく今日に至りました。
  当社は、鉄道事業者として、安全・安定輸送の確保が何よりも優先する事業運営の原点であることを深く認識し、今後も更なる安全でお客様から信頼されるしなの鉄道を目指してまいります。
  皆様からの貴重なご意見をいただければ幸いです。


しなの鉄道株式会社
代表取締役社長  浅 海   猛





2.基本指針と安全目標

2.1 基本指針 「安全で確かな運行を約束します。」
以下の綱領及び行動規範に基づき、安全最優先で事業を実施した。

【綱領】
[1] 安全の確保は、輸送の生命である。
[2] 規程の遵守は、安全の基礎である。
[3] 執務の厳正は、安全の要件である。

【安全管理規程に基づく社員行動規範】
[1] 一致協力して輸送の安全の確保に努める。
[2] 輸送の安全に関する法令及び関連する規程をよく理解するとともにこれを遵守し、厳正、忠実に職務を遂行する。
[3] 常に輸送の安全に関する状況を把握し、理解するよう努める。
[4] 職務の遂行に当たり、推測に頼らず確認の励行に努め、疑義のある時は最も安全と思われる取扱いを行う。
[5] 事故・災害等が発生した時は、人命救助を最優先に行動し、速やかに安全適切な処置をとる。
[6] 情報は漏れなく、迅速、正確に伝達し、透明性を確保する。
[7] 常に問題意識を持ち、改革に果敢に挑戦する。

2.2 安全目標
事故ゼロを目標に、社員一丸となって安全に取組んだ。
平成22年度目標は以下のとおり
安全目標


3.1 平成22年度 主な鉄道事故等
  • 鉄道人身障害事故
    発生年月日: 平成23年1月7日 18時39分
    発生場所: 御代田駅〜平原駅間
    事故概要: 線路脇に公衆が立っているのを、上り列車の運転士が発見し非常停止手配を執ったが間に合わず接触した。


3.2 事故等の状況
事故等の状況

3.3 インシデント報告件数
インシデント報告件数
※ インシデント: 医療や航空、鉄道などの分野で、事故に至らない「ヒヤッとした事例」といったニュアンスの用語

 平成22年度は、雨による速度規制実施中に列車への速度規制の連絡が遅れた事象と、 車両基地内での入換作業に際し、踏切を降下させるのを失念した2件のインシデントが発生しました。 ともに再発防止策を徹底することで一層の安全確保に努めます。



4.1 平成22年度 重点安全施策 (平成22年度安全計画より)
(1) 安全運行体制の確率

1) 基本的事項の再確認とレベルアップ
平成16年度から続けた『基本再認識キャンペーン』は社員の世代交代を確実にするための技術継承が主目的であったが、プロパー社員の実力も向上してきたことから、中堅社員主体として基本的な力を一層の向上を図ることで、今後の体制強化を図るとともに安全運行を確保する。
(「基本力の向上」)

2) 安全管理体制の徹底
安全管理規程に基づき、それぞれの組織が責務をきちんと果たすことと、組織間の連携を強化することで会社一体となった安全管理体制を堅持する。

3) 安全意識の高揚と技術レベルの向上
安全推進委員会を中心とした安全情報の全社展開や部門別研修や専門研修への参加を通じた安全・技術情報の共有化を行うことで、社員の安全意識の高揚と技術レベルの向上を図る。

4) 社会的責任
輸送障害に関する情報や安全報告書の公開など情報提供を積極的に行う。また、AEDの設置など、お客様の健康異常への対応体制を整備する。


(2) 設備の安全性の確認
省令等に定められた設備の検査、現場巡回により、要注意設備・要注意箇所の把握を行い、故障を未然に防ぐ。安全運行に必要な車両・設備維持の見極めと、その維持により安全性を確保する。


(3) 請負事故防止施策の推進
請負工事の安全対策も当社の安全対策と変わりなく重要であることを認識し、請負事故防止会議の開催や、工事現場の安全パトロール等を実施し、請負事故防止に向けた取り組みを推進する。


(4) 異常時対応の体制整備
災害や事故などの緊急事態発生時の体制について、関係規程類の整備状況や協力会社を含めた体制の整備状況の把握、関係社員の教育訓練などを行い、即応体制の整備を図る。


4.2 平成22年度 重点安全施策に対する進捗状況
(1) 安全運行体制の確率

1) 基本的事項の再確認とレベルアップ
 『基本力の向上』をスローガンに、世代交代で受け継いだ知識技能の基本を踏まえた上で、訓練・研修を通じたレベルアップを図った。

2) 安全管理体制の徹底を図る
 内部監査を通じて安全管理体制をチェックするとともに、指摘事項については改善措置をとり安全管理体制の徹底を図った。
 また、組織を横断した構成員による安全推進委員会を毎月開催し、安全輸送に向けた意識の共有を図った。

3) 安全意識の高揚と技術レベルの向上
 安全に関する会議・研修会の開催、専門研修への派遣を積極的に行った。 安全意識の高揚と技術レベルの向上

4) 安全情報の公開
 輸送障害に関する情報を随時プレスリリースした。
安全報告をホームページに掲載し、また、全駅で公衆の閲覧に供した。


(2) 安全設備の整備推進
計画的な修繕や設備投資により、設備の安全性の維持向上に努めた。
平成22年度における修繕費や設備投資の状況は、「6.2 安全のための投資状況」のとおり。


(3) 請負事故防止施策の推進
 各種会議等を開催し、事故防止に努めた結果、重大事故はなかった。
事故防止施策の推進


(4) 災害対策の確立
 災害発生時等に迅速な対応ができるよう実践的な訓練を行った。
災害対策の確立

4.3 重点安全施策の見直し
当社では、中期経営計画を基本として、毎年経営計画を策定し、安全に対する重点施策目標を定めている。
平成23年度は、以下の事項を行う。

[1] 安全マネジメント内部監査を通じて安全確保に向けた取組の継続的な改善を実施。
[2] 安全・技術情報の全社員の共有化と、研修による安全意識の高揚と技術力の向上。
[3] 安全運行に最低限必要な車両・設備の見極めと、その維持による安全性の確保。
[4] 中軽井沢駅舎の改築に伴う関連工事本格化を踏まえ、請負工事事故防止会議の開催や安全パトロール等を通じて、
      請負工事事故防止に向けた取組みを推進。
[5] 社員が体験した事故や危険に結び付く可能性のある「ヒヤリハット」についての分析と事故防止への活用。